開催趣旨
<English>

  近年、様々な産業でクローズドイノベーションのビジネスモデルは限界を迎えており、オープンイノベーションで活路を見出そうとする動きが盛んになっています。なかでも創薬研究は多様な研究領域を取り込んだ総合科学の研究であり、非常に多くの最新技術を常に取り入れることが必要となっていることから、旧来のクローズドイノベーションは機能しなくなってきています。このような状況下、創薬においてオープンイノベーションに対する期待は極めて高く、既に多くのトライアルが実践されています。そのための産官学の緊密な連携がこれまでになく求められていることは言うまでもありません。
  2015年は新独立行政法人の「日本医療研究開発機構」が設立される年であり、オープンイノベーションの必要性が益々高まって来ている基礎研究から、迅速な橋渡し研究(TR〉を介して、臨床研究-治験を十分に行えるような基礎・臨床研究の一体化するシステムが構築される年でもあります。
  この様な状況の中で、2015年のCBI大会では創薬のオープンイノベーションに焦点をあて開催することにいたしました。創薬におけるオープンイノベーションの対象は非常に幅広い研究領域にまたがっていますが、CBI学会の基盤である in silico 研究は創薬のオープンイノベーションを幅広く推進するにあたり、重要な役割を果たすことは明らかだと思います。そのために多様な研究領域と具体的にどう関わっていくべきか、活発な議論ができればと考えております。今回は特に注目度の高い 1)iPS創薬、2)アカデミア創薬、3)ビッグデータの3つのトピックに絞り、議論を深めることといたしました。
  様々な立場のかたが、様々な研究領域に関して議論を深め、お互いどのように連携していくべきか、本会が具体的なヒントを提示するとともに研究者間での交流の場を提供できれば幸いです。
  創薬のオープンイノベーションに関わっている方々、あるいは興味をお持ちの方々の積極的なご参加をお願いいたします。