開催趣旨:
AIの進化は2025年に入り、著しく加速しています。ChatGPTをはじめとする従来の生成AIは、単一タスクへの応答に限定されていましたが、現在ではAI自身が目的を理解し、複数のタスクを自律的かつ段階的に最適化して実行する「自律型エージェント」や、複数のAI同士が協力する「マルチエージェント化」が本格化しています。こうした技術発展により、AIエージェントはデータ収集や分析、意思決定支援、複雑な業務プロセスの自動化など、社会や産業分野で高い生産性と新たな価値を生み出しています。本講演会では、まずAIおよびAIエージェントについて、基礎的な知識からその発展の歴史、社会における役割、今後の展望までを解説・共有します。続いて、創薬研究を加速させる革新的技術を有する各企業から、AIやAIエージェントの実例や開発事例、そして今後の展望についてご紹介いただきます。AIがどのように生活やビジネスを変革するか、創薬の未来とAIエージェントの可能性を、参加者の皆さまと共に考える場となることを期待しています。
日時: 2025年12月9日(火)13:30~17:25 場所: オンライン配信(Zoomウェビナー使用) 世話人: 黒野 昌邦(小野薬品工業株式会社)、植松 直也(大塚製薬株式会社)
近田 千春(OpenEye, Cadence Molecular Sciences)、 島田 裕三(富士通株式会社)連絡先: お問い合わせは、下記メールまたはTELにお願いいたします。
TEL: 03-6435-0458 (情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局)
プログラム
- 13:30 - 13:35 開会の挨拶
- 13:35 - 14:25
「AIの歴史とエージェント」
中島 秀之(札幌市立大学)
AIの研究は3度「エージェント」に出会った。最初は多数のAIシステムが協調することを扱った「マルチエージェント」システムの研究、2度目はその研究から発展した考え方である「エージェントの限定合理性」の定式化、そして最近では生成AIが実用化されたため可能になった、実世界で独立して働くシステムとしての「エージェント」である。AI研究の歴史を概観するとともに、3種類のエージェントについて述べる。
<14:25 - 14:30 休憩>
- 14:30 - 15:10
「AIエージェント本格活用の壁を越える ― 開発・運用管理の実践的アプローチ」
長野 将吾、伊地知 晋平(DataRobot Japan株式会社)
自律的にタスクを実行する「AIエージェント」が、ビジネス変革の新たな駆動力として期待されています。しかし、その開発の複雑さに加え、精度や安全性を担保するための監視・管理、既存システムとの連携は、本格導入の高い障壁となっています。 本講演では、これらの実運用上の課題を乗り越えるアプローチを解説します。DataRobotがヘルスケア業界を含め業界を問わず数多くのお客様と取り組んできたユースケースをもとに、ビジネス価値に直結するエージェントを構築する手法をご紹介。 さらに、NVIDIAと共同開発した「AI Agent Workforce」プラットフォームに触れ、開発から信頼性の高い運用管理までをいかに効率的に実現するかを具体的に示します。
- 15:10 - 15:50
「ダボス会議で認められたAIエージェントAGENT for agents」
土井 悠哉、永井 秀美(富士通株式会社)
富士通は"Uvance"というビジネス課題を解決すると同時に社会課題を課題する事業モデルに転換を進めています。AIやAIエージェントの進化により転換に向けたスピードは加速し、業務価値に大きく寄与するAIエージェントを組み込んだオファリングを続々とお客様に展開しています。この実践例はダボス会議を運営する世界経済フォーラムが、AIエージェントの実装を表彰するMINDSプログラムにて数百の候補の中から優秀ケースとして選定されています。本日は実例をデモを交えながらご紹介します。
<15:50 - 15:55 休憩>
- 15:55 - 16:35
「AIエージェントによるライフサイエンス研究の実践 - Life Sciences Agent Toolkitから自律的研究プロセスの実現まで」
松永 徹人(アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社)
ライフサイエンス分野におけるAIエージェントの活用は、創薬研究プロセス全体を変革する可能性を持っています。本講演では、まずオープンソースで提供されているLife Sciences Agent Toolkitを紹介し、バイオマーカー探索やパスウェイ探索、タンパク質設計など、すぐに利用可能な特化型エージェントの実装例を示します。次に、実験機器と連携したLab-in-the-Loopシステムなど、より広範な研究プロセスへの統合について解説します。さらに、これらの基盤となるAmazon Bedrockなど、最新のAIエージェントサービスの活用方法についても紹介します。
- 16:35 - 17:15
「言語モデルとAIエージェントを用いたAI駆動型抗体デザイン」
玉木 聡志(株式会社MOLCURE)
近年の大規模言語モデルの進化は、自律的にタスクを遂行するAIエージェントを実現可能にし、創薬研究のあり方を大きく変えつつある。我々は抗体・ペプチド設計に特化した言語モデルを製薬・バイオテクノロジー企業に提供しており、これを活用し研究者の思考を加速させるAIエージェントを開発中である。我々の技術は自然言語での対話を通じ、計画立案から調査、設計までを自律的に実行することを目指しており、そのためにはリーズニング技術と実験知見に基づくワークフローを統合し、判断の透明性と行動の自律性の両立が肝要と考えている。本講演では、これらの技術によるde novo抗体デザインの事例を紹介し、今後の展望を議論する。
- 17:15 - 17:25 閉会の挨拶
講演会参加費参加申込み
(種別) (料金) 法人会員 無料 一般 個人会員A 無料 個人会員B ¥3,000 非会員(一般) ¥10,000 学生 学生会員 無料 非会員(学生) ¥1,000
キャンセルの場合、2025年12月1日(月)までにご連絡いただければ手数料を差し引いて返金します。
それ以降は講演会参加費のキャンセル返金はできません。
コンビニ決済を選択すると5日間の支払猶予期間がありますが、支払いが完了しないと正式な参加申し込みとはならないため、締切日にご留意ください。(ただし、定員オーバーで参加できない可能性があることをご容赦願います)
参加費が無料の方も、キャンセルされる場合は、なるべく早くにご連絡ください。こちらでシステムから取り消します。
お問い合わせ
>>CBI学会会員管理および講演会登録ページ
※2025年12月1日(月)まで受け付ける予定ですが、定員に達した場合は予告なく受付を締め切ります。
※Zoom アプリは最新にしておいてください。
※参加登録をお済ませの方には、2025年12月5日(金)までに、Zoomウェビナーへの入室情報を電子メールでお知らせします。
上記期日までに届かない場合は、下記お問い合わせ先までご連絡ください。◆情報計算化学生物学会(CBI学会)事務局
TEL:03-6435-0458